もの凄い争奪戦になっている、PhantomXを運良く手に入れることが出来ました。入荷されても5分くらいで消え去るという感じです。

無修理のPROに載せるよりメンテナンス済みだったEXPERT II の方が良いかと思ったのですが、シールド板外すのがめんどくさすぎてPROに搭載しました。

という感じで物はこちらです。GIMONSさんが開発されたX68000のMPUをRaspberryPiに載せ替えて高速化するアクセラレータボードです。搭載メモリーをまるごとキャッシュしたりと今までのアクセラレータ製品に比べてもかなり高速になり、さらに030などのアーキテクチャ差による互換性問題も少ないという優れものです。030モードや040Turboモードなどいろんなモードにも対応して言います。固定ハードで無くソフトウェア部分も多いのでチューニングでパフォーマンスが上がったり機能が増えたりとアクセラレータ機器としてもとてもユニークな構造だと思います。cat20220604143227cat20220604151522

ボードの生産は設計されたGIMONSさんの奥さんが半田付けされているとのことで、これまた驚きです。精度も高いんですよね。

早速取り付けです。PROは蓋を開けるだけでMPUが見えているので簡単に搭載できます。MPUを抜くには工具を用意した方が良いらしいのですが、マイナスドライバーで抜き取りました。cat20220604154321

抜き取った後で見えますが、下のプラの支えに小さいマイナスドライバーを差し込んで、左右に分割してゆっくり回していきます。無理せず進んで2段目位まで回せれば後は手で引っ張れば抜けました。めちゃくちゃ堅いって事で心配したのですが、PROだとこのあたりも楽なのかもしれません。cat20220604154920cat20220604154904

付属のソケットのかさ上げを差し込みます。cat20220604155044

後はRaspberryPi・ベースボード・リロケーターと合体させて差し込んだら終わりです。ACアダプター化する際、picoATXの5VのDCコンバーターの能力が低いと電力供給が足りなくなるとのことで、今回は手持ちは2、3が有ったのですが、RaspberryPi2を取り付けています。爆速にするには4じゃないと足りないのですが、2でも充分高速化されます。cat20220604155107

取り付けて試運転です。結構ドキドキしましたが一発で起動できました。この辺りは差し込みさえしっかりしていれば大丈夫みたいです。メーカーの市販品で無く、個人で作られた物がこの精度で動くのは凄いことですよね。PhantomX自体は10MHzでチューニングされているためXVIでも10MHzじゃ無いとパフォーマンスが出ないそうです。自分のPROも15MHzにオーバークロック可能なんですが、もう本体負荷を上げたくなく、ずっと10MHzで使っていましたので丁度良いです。cat20220605102820

はうさんが提供されているPhantomX対応の拡張SRAMの起動プログラムも導入します。SRAMはSDカード上に作られて64KBに拡張に対応されて、初回起動画面がアニメーションしてかなり豪華です。RaspberryPiの温度表示などもされて是非とも入れておきたい起動メニューです。

他にもたんぼさんが提供されている白窓君と、HUYEさんが作られた状態表示ツールとかあると常にステータス表示が可能です。欲しいところですが、今年は細々した買い物が多かったので、うちの人に申告する勇気が無く、とりあえずはPhantomX自体を楽しむことにしています。cat20220612151708cat20220612152027

今回は、SCSIのHDDも外してしまい、PhantomXで使用できる仮想ドライブのVDiskを5台ぶら下げています。一つ大体1GBで確保しています。説明ページにあるサンプルドライブを作ってDiskExplorerで大量にコピーしたりしたら、途中でアプリごと落ちたりと中々難しかったです。結局実機の030のHDDをMOでバックアップして、HDS間でコピーした物をAKTさんが公開されたHDSをVDISKに変換するツールでVDISK化して認識させて、細かい差分とかの微調整をこれまたMO経由で実機側にコピーしています。

軽くベンチマークを回すと、RaspberryPi2のPhantomXだと030に比べて抜きつ抜かれつくらいな感じです。MASLなんかだと030には負けるもののCPUパワー比率が高いものだと、PhantomXの方が早い感じです。RaspberryPiの3や4だと簡単に勝てるようですが、2の能力だと大体Zeroと似たような結果っぽいですね。RaspberryPi側は1コアで動くように作られているそうなので、Zeroでも省電力と考えると良さそうです。cat20220612152237cat20220612152306

ベンチマーク系だとこんな感じです。クロックなんかは正確には出ない感じですが、XVIよりは確実に早くて、24MHz化したものでも勝ててるんじゃ無いかなと思ったりですが、そちらは使った事が無いのでなんともです。cat20220612154839cat20220612153614cat20220612153840

ゲームもいくつか試しました。スタークルーザーやSIONIIはフレームレートが上がるよ言うよりゲーム自体が高速化される感じです。どちらもRaspberryPi2だとゲーム出来る範囲での速度アップで悪くないです。ジオグラフシールなんかは綺麗にフレームレートが上がっていますが、まだ重くて60フレームみたいなところまでは行かない感じです。cat20220612162403cat20220612162217

プリンスオブペルシャなんかはかなり早くなって、ちょっとやりにくいくらい早いと言う感じでした。2でこれだとV-syncみてないゲームは早すぎて出来ないのも多いかもしれません。cat20220612162104

PICの展開やファイル操作もVDiskのレスポンスの良さもあって早いです。だた2の速度だとLZHで圧縮されたファイルからの展開して表示とかだと時間がかかる感じです。

うちのACアダプター化されたPROの電力を考えると、RaspberryPi2の速度でも充分ですが、ZERO2が手に入ったらそちらには交換してみたいです。ソフトウェアのバージョンアップと併せて、後のお楽しみって感じよいかと。モード変更やWaitの設定変更はコマンドから可能ではありますが、SDカード自体のバックアップや多めのファイルの入れ替えはSDカードを抜いて試したので、そこも気になります。PROは蓋が開けやすいとは言え、上に物があると出し入れは大変なので、延長ケーブルは試したいです。推奨はされてないらしいので、短めな物になるかとは思います。

にしてもこんなに時代を経て、個人で設計されてオーバードライブプロセッサの様に、ぽん付けするだけでこれだけの性能の物を作られるGIMONSさんの能力が驚きなのと、されらをサポートする各種ツール類も直ぐに開発される周りの方々も凄いですね。作られた方々やテスターの皆様には感謝です。