コロナの在宅勤務でモバイルモニターも使って3画面にしていたのですが、半年ほどで壊れてしまい、小さめのモニターと21インチのフルHDのモニターを買ってきました。パネルはなんとなくVAが良いと思っていたので、AcerのKA222Q Bbmiix(21インチモニター)にしました。

HDMIが2つとVGA入力があり、VGA端子はは全然使っていませんでしたが、PC-8001mkIIをつないでみると15kHzが入ったので、X68000も試してみました。結果かなりのモードで映るもののすべて全画面表示でしたので結局使わずじまいで・・・

そんな折、どむやまさんと言う方がいくつかのPCモニターのファームウェアを書き換えて、いろいろご対応されていました。えくしびさんKAPPY.さんのポストを見てうちのも行けるかも?なんて思いました。

早速どむやまさんのページを見て試します。今回はRaspberryPi3で実施しました。OSは標準のRaspberry Pi OSを入れています。※対象のモニター機種は限られています。書き込み前に対応ファームウェアかは確認されていたりはしますが、途中で無理だと思ったらファームウェアを書き込む前に止めておきましょう。

ここから失敗してもすべて自己責任の世界です。

ラズパイは直接操作せずHDMIでモニターに繋いだ状態にして、ネットワーク経由で別のPCからSSHでリモート操作します。※自分はラズパイOS側でSSHを有効してTera Term から繋ぎました。今回はファームウェアを見て貰う必要もあったので、ファイル抜き出し用にSFTPクライアントからも繋いでいました。

手順1のラズパイOS上でI2Cを有効化します。

sudo raspi-configで出てきたメニュー画面から選択して行きます。

cat20240804154741[1]cat20240804154833[1]cat20240804154901[1]cat20240804154946[1]

その後、bootにあるconfig.txtをviで編集して「dtparam=i2c2_iknowwhatimdoing」を追記します。下の画面だとホントの最後に入れていますが、[all]の中に入れて保存しました。どこが正解かよくわかってないです・・・。viは、:wで書き込んで、:qで終了です。

cat20240804155120[1]


手順2.gitのインストールとgithubから書き換えプログラムを読み込みます。

sudo apt install git

git clone https://github.com/mcDomDom/RTDProgrammer.git

cd RTDProgrammer

make

cat20240804160031[1]

makeした後は、手順3のモニターのファームウェアを読み込みます。

./rtd2660 -r firmware.bin 2

cat20240804160938[1]

これがすべての元になります。壊れると大変なのでfirmware2.binとか3とかで予備のバックアップも取っておきます。

そして、ファームウェアのmod対応を行います。ここでは取り込んだファイル名firmware.binを使っています。

./rtd2660 -modify firmware.bin

緊張しますが以下のコマンドでファームウェアの書き込みを行います。

./rtd2660 -w firmware_mod.bin

書き込みが終わると以下のメッセージが出て完了です。Failedが出るとエラーです。

Received data CRC XX
Chip CRC XX
Success!

普通ならこれで終わりで、コンセント抜いて再度立ち上げたら対応完了です。

自分のAcer KA222Qの場合、ちょっと特殊で一度元のファームウェアを強制書き込み(-brutewp)した後、更にmod版を続けて書く必要がありました。

最初はX68000のすべての画面モードを4:3で表示される物でしたが、X68の場合通常のHumanは3:2だったり24kHzでは16:10、ゲームでは4:3など多彩なので、そちらにも対応頂いています。

X68000の各画面モードのチェックはカタさんCRTCHKを利用させていただきました。

3:2に対応頂いた際に、X68030で確認し以下のモードは不安定(表示出来ない)になりましたが、あまり使わないモードなのですべて4:3よりメリットは大きいと思います。またモニター側のアスペクトモード切替も不要になっています。

Frq:24kHz Rsl:1024x424 Col/Page:16/1    VRAM:1024",/17/
Frq:24kHz Rsl:1024x424 Col/Page:256/2   VRAM:1024",/21/
Frq:24kHz Rsl:1024x848 Col/Page:256/2   VRAM:1024",/22/
Frq:24kHz Rsl:1024x424 Col/Page:65536/1 VRAM:1024",/25/
Frq:24kHz Rsl:1024x848 Col/Page:65536/1 VRAM:1024",/26/

2024/8/17にアップデートされすべてのモードが表示可能になりました!

cat20240805234348cat20240806210433

PC-98の24kHzは16:10になっています。

cat20240806085006


1ChipMSXの15kHzは3:2っぽいのですが、MSXはわかりにくいかもです・・・。cat20240806124247

いずれにせよ、失敗してデカい黒い板になるかもしれないリスクがあります。最悪元のバックアップファイルから書き戻せれば元通りですが、モニターのフラッシュメモリが何回書き換えれる耐久力があるかも判らないです。


そんな危険もありますが、休みの日や夜間に時間を割いて神対応頂いたどむやまさんにはホント感謝です。


※情報は2024/08/06時点です。対応モニターなどの最新情報はどむやまさんのページやgithubを確認ください。